ドバイ留学のメリット・デメリットとは｜費用や事前準備も解説

「ドバイ留学の特徴は？」
「どのくらいの費用がかかる？」

このように考えていませんか。
ドバイは生活環境が良く、国際的な環境で英語を学べる魅力的な留学先です。しかし、英語の訛りや気候面などのデメリットもあります。

そこで本記事では、ドバイ留学について以下の内容を解説します。

• ドバイの基本情報
• メリット・デメリット
• 留学費用
• 事前準備

「ドバイ留学は自分に向いているか」や「何から準備すべきか」が理解できるため、最後までご覧ください。

ドバイってどんな都市？

ドバイ（ドバイ首長国）は、中東に位置する「アラブ首長国連邦（UAE）」の首長国の1つです。面積は3,885km²と東京都の約1.8倍ですが、大部分が砂漠で覆われており、市街地面積は1/10程度と言われています。気候は雨が少なく非常に温暖で、6〜8月は平均最高気温が40度を超えます。

また、外国人人口が90%超の国際的な環境である点も特徴です。公用語はアラビア語ですが英語も広く使われており、留学先としても人気があります。宗教はイスラム教で、日本との時差は−5時間です。30を超えるギネス世界記録に登録されており、観光地になっています。

✓ドバイが持つギネス世界記録の例

• 世界一高い高層ビル（ブルジュ・ハリファ）
• 世界最大の噴水（パーム・ファウンテン）
• 世界最大の観覧車（アイン・ドバイ）
• 世界最大の垂直庭園（ドバイ・ミラクル・ガーデン）

項目	ドバイの特徴
正式名称	ドバイ首長国
国名	アラブ首長国連邦（UAE）
立地	中東（ペルシャ湾に隣接）
公用語	アラビア語英語
人口	約355万人（2022年末）
面積	3,885km²
通貨	ディルハム（AED）
宗教	イスラム教
日本との時差	−5時間

ドバイ留学のメリット6選

ドバイには、充実した留学生活を送れる複数の魅力があります。ここでは、6つのメリットを解説します。

国際的な環境で生活できる

国際的な環境で生活できる点がドバイ留学の魅力です。ドバイの外国人比率は90.3%(*1)というデータがあります。一例として、ドバイの語学学校「ES Dubai」の国籍比率を紹介します。

国籍	割合
ロシア	17.1%
トルコ	15%
日本	9.5%
タイ	8.7%
コロンビア	8.3%
ブラジル	8.2%
フランス	4.2%
イタリア	3.6%
サウジアラビア	3.2%
その他	22.2%

国際的な環境で留学生活を送れるので、多様な文化や価値観を体験できます。結果として視野が広がり、進路選択の幅が広がったり、就職活動の強みとなったりするでしょう。日本人の割合も低いため日本語を話す機会が少なく、効率的に英語を習得しやすい点も魅力です。

*1 アラブ首長国連邦 JETRO「裕福層の消費力に標準を」

学生ビザでアルバイトができる

ドバイでは、学生ビザでもパートタイムでアルバイトができます。現地での生活費を賄うことができるため、経済的な負担を抑えて留学したい方にもおすすめです。また、アルバイトを通じて日常で使う実践的な英語にも触れられます。英語に触れられる時間が長いので、語学学習の効率が向上するでしょう。

現地での仕事に興味がある方は、UAE政府が公認する学生向け求人サイト（oliv）を閲覧してみてください。

治安が良い

NUMBEOの調査(*1)によれば、UAEの安全指数ランキングは世界2位です。

また、ドバイに在住する日本人の93%が「ドバイの治安に満足している」と回答している調査結果(*2)もあります。安全性が高いため、初めての留学でも安心して生活できるでしょう。ただ、特定地域や夜間の治安に不安を感じる方もいるようです。基本的な防犯意識・防犯対策は必要です。

*1 Crime Index by Country 2024Mid-Year
*2 ドバイ国内の治安に対する満足度についてドバイ在住日本人を対象に調査しました。 | Logical X Consultancy FZ-LLCのプレスリリース

インフラや医療体制が整っている

インフラや医療体制が整っている点もドバイ留学の魅力です。停電はほとんど起こらず、水道水も都市部なら理論上無菌(*1)です。清掃や生ごみの収集も行き届いており、交通網も発達しているので、快適な環境で生活できるでしょう。

ただ、供給用パイプや貯水槽が原因で微生物が混入する可能性があるので、飲用は避けるのが無難です。

またインターネットの通信速度は日本より高速で、普及率も高いので、スマホやタブレットも不便なく使用できます。医療環境に目を向けると、人口あたりの医療従事者が多く(*2)、NUMBEOによるヘルスケアスコア(*3)も高水準です。ショッピングモールや繁華街には薬局もあるので、医療面も極端に不安になる必要はないでしょう。

*1 外務省 「世界の医療事情 （2）水質、食品、衛生環境など」
*2 ドバイのがん診断と治療及び医療機器 実地調査プロジェクト 報告書
*3 Health Care in Dubai

観光地が豊富

ドバイ留学では、以下のような観光やアクティビティを体験できます。

✓ドバイの観光地・アクティビティの例

• ドバイ博物館
• ジュメイラモスク
• バスタキヤ地区
• 熱気球遊覧ツアー
• デザート・サファリ

観光やアクティビティの体験は、留学中の思い出となるでしょう。

夏休みの時期に航空券が安い

ドバイのハイシーズンは11〜3月で、この時期は航空券の価格が高騰します。

一方で4〜10月はオフシーズンで、航空券の価格も落ち着きます。Trip.com（2024/7/8時点の料金）で航空券（東京からドバイ）の最安値の月平均を比較した結果が以下の通りです。

月	各日の最安値の平均値
7月	44,093円
8月	49,031円
9月	47,219円
10月	48,190円
11月	56,650円
12月	62,298円
1月	67,541円
2月	64,608円

大学生の夏休みがオフシーズンの時期なので、費用を抑えて留学しやすいです。ただし、ドバイのオフシーズンは猛暑日が続き、熱中症も頻繁に見られるので、長時間の観光には向いていない可能性が高いです。

ドバイ留学のデメリット4選

魅力が豊富にあるドバイ留学ですが、ならではのデメリットもあります。ここでは、4つのデメリットを紹介します。

英語に訛りがある

ドバイは多国籍な環境であるが故に、各国の言語の訛りを含んだ英語が話されます。異なる発音・抑揚の英語が飛び交うため、慣れるまでに時間がかかる可能性があるでしょう。

また、日常生活で聞く英語に訛りがあると、習得する英語にも癖が出るリスクが生じます。そのため「癖のない綺麗な英語を習得したい」と考える人は要注意です。

夏季は猛暑日が続く

ドバイの夏季である4〜10月は猛暑日が続きます。特に6〜8月は平均最高気温が40度を超え、時には50度に達することもあります。またペルシャ湾に隣接していて湿度も高いので、過ごしにくい日が続くでしょう。熱中症患者が病院に搬送される例も多く、長期間の外出は避けるのが無難です。

そのため、夏季の留学だと観光やアクティビティを十分に楽しめない可能性があります。快適な環境で生活したい方や、観光・アクティビティも積極的に楽しみたい方は11〜3月の留学がおすすめです。

イスラム教への理解が必要

イスラム教の街であるドバイには、日本人に馴染みのないルールがあります。例えば、イスラム教には約1ヶ月の間、日の出から日没まで断食する「ラマダン」という文化があります。イスラム教徒ではない留学生は断食する必要がありませんが、公共の場での飲食は避けることが大切です。ラマダンの期間は年によって異なり、2025年は2月28日から3月29日です。

また、ドバイは飲酒のルールも厳しいため注意しましょう。路上や公園での飲酒は禁止されており、酒類の購入にはライセンスが必要です。他にも「左手で物を受け取らない」や「各聖地で規則を尊重する」なども大切です。イスラム教文化への理解を深めて、禁止事項やマナーを事前に確認しましょう。

日本より規則が厳しい

ドバイの法律・規則は日本よりも厳しいです。具体的には、ドバイでは以下のような行為が禁止されています。

• 軍事施設や経済インフラ施設、政府関連の建物などの無許可の写真撮影
• 指定された場所以外での飲酒・酩酊
• 女性への不敬な声掛け
• ゴミのポイ捨て
• 公共の場所での抱擁
• 肌を過剰に露出した服装

事前に確認しないと不要なトラブルに繋がる可能性が生じるので要注意です。

ドバイ留学の費用

ドバイ留学における期間別の費用の目安は以下の通りです。

費用内訳*1	1ヵ月間	3ヵ月間	6ヵ月間	1年間（44ヶ月）
パスポート申請費*2	11,000～16,000円	11,000～16,000円	11,000～16,000円	11,000～16,000円
ビザ申請費*3	28,915円	54,618円	208,832円	208,832円
校納金（入学金・授業料など）*4	220,077円	525,293円	862,637円	1,447,366円
滞在費*5	131,725円	395,174円	790,349円	1,448,973円
食費*6	154,214円	462,643円	925,286円	1,696,358円
渡航費（往復）*7	97,992～136,664円	108,271～130,930円	115,290～123,911円	101,956～138,738円
留学保険料*8	30,010円（9T4）	63,340円（8P3）	143,180円（TP3）	275,810円（TP3）
総額	673,933～717,605円	1,620,339～1,647,998円	3,056,574～3,070,195円	5,190,295～5,232,077円

この他に、現地での交通費や通信費などがかかります。また、留学費用は以下の要素でも変わります。

• 語学学校のコース
• 滞在方法
• 食生活
• 留学エージェントの活用の有無

昼食を自炊したり、滞在先をルームシェアに切り替えたりすると節約が可能です。

ドバイ留学の事前準備

ドバイ留学で必要な準備は複数あるので、余裕を持って内容の確認や手続きを行いましょう。ここでは、ドバイ留学の事前準備を6つ解説します。

留学時期・留学期間の決定

まずは留学時期と留学期間を決定しましょう。留学時期と留学期間が明確でないと、語学学校の手配やビザの申請、留学保険の加入ができません。留学時期は大きく11〜3月のハイシーズンと4〜10月のオフシーズンに分けられます。

留学時期	メリット	デメリット
ハイシーズン	気候が落ち着いていて過ごしやすい観光・アクティビティを楽しみやすい	航空券が高額
オフシーズン	費用を抑えて留学できる夏休みを利用しやすい	猛暑日が続くため長時間の外出が難しい

メリット・デメリットを踏まえて選択してください。また「1～3ヶ月程度の短期留学では意味がない？」と悩む方もいます。

しかし、短期留学でも目的意識が明確であれば十分に有意義な留学生活を送れます。詳しくは「短期留学の費用・魅力は？注意点や準備、人気の国も紹介」で解説しているのでご覧ください。

パスポート・ビザの取得

パスポートを保有していない方は、発行申請が必要です。手続き先は各都道府県のパスポートセンターです。有効期限は5年と10年から選べますが、18歳未満の方は5年旅券しか選べません。

ビザは30日間以内の留学であれば取得不要です。30日を超える場合は、観光ビザもしくは学生ビザの取得が必要となります。ES Dubaiのようにビザを取得してくれる語学学校があり、ビザ申請サポートを提供する留学エージェントもあります。

まずは希望の語学学校のサービスを確認しましょう。ビザの基本情報については「留学に必要なビザまとめ｜国ごとに種類・準備物をわかりやすく解説」で解説しています。

航空券の取得

留学時期に合わせて航空券を手配します。タイミングはビザの取得を終えてからです。航空券は以下のいずれかの方法で取得できます。

• 航空券の比較サイト
• 航空会社の公式サイト
• 旅行会社・旅行代理店の公式サイト
• 旅行会社・旅行代理店の店舗

また、航空券の種類は「片道」「往復」のいずれかです。

往復航空券はさらに「オープンチケット」「フィックスチケット」「フィックスオープンチケット」に分けられます。航空券の取得方法や種類は「留学の航空券の手配は簡単！購入方法・種類をわかりやすく解説」で詳しく解説しています。

語学学校・宿泊先の手配

以下のような点に着目して語学学校を選びましょう。

• 学習環境
• 生活環境
• 学べる内容
• 友人を作れる環境か

宿泊先は語学学校の寮に入ることが一般的です。ドバイでの生活に慣れたら、市内でシェアハウスをする方もいます。語学学校で提供されている学生寮の環境を確認しましょう。

語学学校の選び方は「語学学校の確実な選び方｜経験者の意見・満足度を基に徹底解説」で詳しく解説しています。また、語学学校の手配の方法は、大きく以下の2つです。

• 留学エージェントの活用
• 個人手配

留学エージェントは費用こそ要するものの、渡航準備や留学中のサポートを受けられる点が魅力です。一方で個人手配なら、費用を抑えつつ幅広い選択肢から留学プランを立てられます。「個人手配は難しそう」と考える方もいますが、渡航先や期間が明確であれば決して難しくありません。

詳しくは「留学は個人手配できる！留学までの流れと注意点を解説」で解説しています。

留学保険への加入

留学保険とは、留学先でのケガや病気などに備える保険です。ドバイでは日本の健康保険制度を利用できないので、基本的には保険加入をおすすめします。費用は補償範囲や保険料、特約の有無などによって異なります。必要な補償範囲や金額を明確にしましょう。

詳細は「留学保険への加入は必須？費用・相場や選び方もわかりやすく解説」で解説しています。

基礎的な英語力の習得

留学前の段階で高度な英語力は必須ではありません。実際に、留学前に自身の語学力を評価した調査では、以下の結果が出ています。

留学前の語学レベル	割合
入門レベル	34.1%
初級レベル	41.9%
中級レベル	21.8%
上級レベル	2.1%

ただ、留学前に基礎的な語学力を習得していれば、現地で聞く英語に耳が慣れやすくなります。

また、積極的に英語を使う意識も生まれ、効率的に語学力を伸ばせるでしょう。積極的にコミュニケーションを取れば、思い出や自信にも繋がるはずです。

まとめ

今回はドバイ留学のメリット・デメリットや費用、事前準備などを解説しました。ドバイは国際的な環境で英語を学べ、生活環境も高水準な都市です。学生ビザでアルバイトができ、夏休みの時期の渡航券も安いので、留学費用も抑えられます。

しかし、日本よりも規則が厳しくイスラム教への理解も必要なので、事前に現地での注意点を確認しましょう。留学準備の方法は大きく以下の2つです。

• 留学エージェントへの依頼
• 個人手配

特に、費用を抑えて留学したい方や、幅広い選択肢から留学プランを立てたい方は個人手配がおすすめです。

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